あらすじ
主人公はある日たまたま訪れた病院で、「共病日記」と書かれた1冊の日記を見つけます。
その日記の持ち主はなんと、同級生の「山内咲良」でした。咲良の寿命は1年―。
それまで、咲良はもちろん同級生の誰とも関わりを持たず、
ひっそりと生きてきた主人公は、その日を境に秘密の共有者として、
徐々に一緒に時間を過ごすようになります。
明るく快活でいつも人の中で生きている咲良と、
人と交わらず静かに生きている主人公は、互いに正反対でありながら、
なぜか2人でいる時間は心地良い。
そんな不思議な2人の関係に何と名前をつければ良いか・・・
繊細な文で表現される住野よるさんの世界をどうぞお楽しみください!
感想
この本を一言で表すと「とても繊細で無駄のないきれいな文章」です。
この本は2016年に話題となり、知り合いから勧められたのをきっかけに購入しました。
しかし、表紙のキレイさとは裏腹の「君の膵臓をたべたい」という
ややグロテスクなものを連想するタイトルから、読むのを敬遠しており、
本棚の奥底にしまっていましたが、今回たまたま本棚で見つけたのを機に読んでみました。
軽い気持ちで30ページ程読んでみると、主人公と咲良の掛け合いのテンポの良さと、
余計な装飾が無くとても繊細できれいな文章に、止められなくなり、
いつの間にか徹夜で本を読み終えてしまっていました!
これまでも、病に侵されて余命が短いという作品は多く読んできましたが、
この本は、病気の咲良に気を使わない主人公のおかげか、
もしくは明るくていたずら好きな咲良のおかげか、暗い気持ちにはならず、
無理に涙を誘う場面もほぼなく、とてもスッキリとした気持ちで読むことができました。
「病気が題材の本」だと敬遠されていた方、
私と同じようにタイトルで読むのをややためらっていた方、
きっと最後まで読んでいただければ、このタイトルのきれいさに感動するはずです。
ぜひ安心して、騙されたと思って読んでください!(笑)
作者の歴史・性格
著者の住野よるさんは、この「君の膵臓をたべたい」で作家デビューを果たし、
その後「また、同じ夢を見ていた」「よるのばけもの」等を出版しました。
小説家は裏方で目立つべきでないという思いから、
年齢や経歴など詳細なプロフィールは非公開としているそうですが、
もう少し住野よるさんについて知りたい方は、
↓の記事で住野よるさんのインタビュー記事が載っていますので、
ぜひチェックしてみてください!
チャート
おすすめの人
・最近泣いていない人
・きれいな文章を読みたい人