【書評】2019年本屋大賞受賞作「そして、バトンは渡された」は疲れた心に沁みる心温まる物語です

あらすじ

「3歳で母を亡くし、水戸・田中・泉ヶ原・森宮と4回も名字が変わった」
これだけ聞くと「とても不幸な女の子の暗く悲しい話なのでは」
と想像するかもしれませんが、いえいえご安心ください!

まずご安心していただきたいのは、この本には、よく物語にあるような、
主人公を理不尽にいじめる意地の悪い継母は出てきません(笑)
また、親との関係に悩み、「この人は本当の親じゃないから」など
すねたりする主人公も出てきません。

それどころか、主人公優子の悩みは
「全然不幸じゃなくて、悩みがないこと」です(笑)。
優子は、血の繋がらない梨花さん、泉ヶ原さん、森宮さん、
全ての親から惜しみない愛情をたくさん注いでもらっています。

親の愛を感じて、読んだ後の幸せな思いを感じてください!

感想

この本を一言で表すと「惜しみない愛情」という言葉がぴったりだと感じました。
実の父も、梨花さんも、泉ヶ原さんも、森宮さんも優子のことが大好きで、
沢山の愛情を注ぎながら優子を育てています。
私が同じ状況に立たされたらきっと「すねて悲観して」いたと思います(苦笑)

この本では何か大きな事件が発生したりと劇的なことは起こりませんし、
感情を大きく揺さぶられるような本でもありません。
ただ、この本読んでいる間、ずっと心に温かくて緩やかな風が吹いているような、
気持ちい温泉につかっているような気持ちになります。

ちょっと疲れて休憩したい方、
この本を片手にゆっくり気持ちの良い時間を過ごしてみませんか?

作者の歴史・性格

著者の瀬尾まいこ(1974年-)さんは、元々国語教師を務めており、
国語教師として勤務する傍ら執筆活動を行っていたそうです。
デビュー作は「卵の緒」という作品で、
「坊っちゃん文学賞大賞」を受賞しているそうです。

チャート

おすすめの人

・最近疲れている人
・心温まる物語を読みたい人

タイトルとURLをコピーしました