あらすじ
独身子なしのアラフィフ女「小野寺かすみ」は、会社で初の女性部長になる目前で
突然25年務めた会社をクビになります。
失意のどん底にいたかすみは、友人の「高橋」から東京マラソンに出場する
「川内」を一緒に応援しようと誘われます。
東京マラソン当日、高橋の全力の応援に最初は戸惑っていたかすみですが、
全力で走る川内を見てだんだん胸が熱くなり、いつの間にか大声で応援していました。
東京マラソンで川内の走る姿に胸を打たれたかすみは、
勢いでフランスのボルドーで開催される「メドック・フルマラソン」に登録します。
フルマラソンを走った先に見えるものをかすみと一緒に見つけましょう!
感想
この本は一言で表すと「全力で生きる力を教えてくれる本」です。
最近、現実社会でもマラソンがブームになっていますが、正直なところ
「あんなに苦しい思いをして何が楽しいのだろう」と思っていました。
私の身近でマラソンにハマっている人に魅力を聞いてみると、
「走った後のご飯やビールがおいしい」「タイムが縮んでいくのが面白い」等
走ったことがない自分からすると魅力的には聞こえない内容ばかりでした。
でもこの本を読んで、何度もリタイアしようと葛藤しながら、ボロボロになって走ることや
沿道の応援に背中を押されながら走ることに、
他の何物にも代えがたい魅力があるのではないかと気づきました。
「人生を悔いなく全力で生きる」のは、言葉で表すと簡単なことのように感じますが、
実際にやろうとするとなかなか難しいものです。
ただ、マラソンのように極限の環境で葛藤しながら次の一歩を踏み出すことで、
また極限を超えて頑張れる自分を知ることで、
毎日を全力で生きることができるのではないかと感じました。
最近、人生にちょっと疲れている方、マラソンを始めてみませんか?
作者の歴史・性格
作者であるこかじさらさんは、元々編集者・ライターとして働いており、
2016年にこの「アレー!行け、ニッポンの女たち」で小説家デビューを果たしたそうです。
こかじさらさんは、働く女性のリアルな小説が少ないことに気づき、
自身の経験を元に、まっとうな人が救われる職場であってほしいと願い、
この本を描いたとのことでした。
チャート
おすすめの人
・人生を全力で生きたい人
・最近楽しいことがない人
・会社で辛いことがあった人
・本から元気をもらいたい人