こんにちは。haruhinaです。
さて、58日目に読んだ本はこちら↓
- ある日突然40億円の借金を背負う―それでも人生はなんとかなる。 著:湯澤剛
- プロフェッショナル 仕事の流儀 鈴木敏夫 映画プロデューサー 自分は信じない、人を信じる 編:茂木健一郎&NHK(プロフェッショナル)制作班
- 文字禍 著:中島敦
本の感想
ある日突然40億円の借金を背負う―それでも人生はなんとかなる。
大手ビール会社に勤務でサラリーマン生活を謳歌していた、著者・湯澤剛さんの元に、36歳になったある日突然、お父様の訃報が届きます。
あれよあれよという間にお父様が経営していた会社を継ぐことになった、湯澤さんでしたが、その会社の借金がなんと40億円。
40億円もの借金を返すため、どん底の状況から右も左もわからない状態で戦った、湯澤さんの体験が克明に書かれた本です。
「40億円の借金」という言葉を見た時、一瞬フィクション小説かと思いました。
私にはそれくらい驚愕の数字でしたし、本書の中でも金融機関から「完済までには80年かかる」と言わるほどの数字だったと書かれています。
多額の借金とボロボロの会社を背負った、八方塞がりでどん底の状態から、逃げずに戦い続けた湯澤さんの話は、立ち上がる勇気と覚悟を教えてくれました。
会社の経営者・個人事業の方・いま人生に行き詰っている方、全てに一度読んでいただきたい一冊です。
プロフェッショナル 仕事の流儀 鈴木敏夫 映画プロデューサー 自分は信じない、人を信じる
テレビ番組「プロフェッショナル仕事の流儀」で放送された内容を本にしたものでした。今回読んだのは、「スタジオジブリのプロデューサー・鈴木敏夫さん」の仕事の流儀です。
本書を読んで特に印象に残ったことは、「時代の空気をつかむ」という言葉です。いつの時代に見ても面白いジブリは、どこか普遍的なものを感じていましたが、全く逆の考え方だという事です。
「時代の空気をつかむ」ためには、感覚を磨かなければいけないので、自分で時代の空気を言語化してみて練習しようと思いました。
文字禍
老博士ナブ・アへ・エリバは、アシュエル・バニ・アパル大王の命令により「文字の霊」の性質について研究することになりました。
ナブ・アへ・エリバは、書物を読み漁ったが「文字の霊」に関する記述は見つからなかったため、自力で研究を始めます。ナブ・アへ・エリバが文字を凝視していると、文字が「バラバラの線の集まり」に見え始め、バラバラの線と一定の音と一定の意味をまとめているものこそ、文字の霊だ」という結論に至ります。
ナブ・アへ・エリバは、文字の霊の研究を進めるにつれて、人間が気づかない内に文字の霊によって、蝕まれているということに気づきます。
ナブ・アへ・エリバはアシュエル・バニ・アパル大王に文字の霊の怖さについて報告しますが、謹慎を言い渡されます。さらに、文字の霊の復讐は、謹慎だけでは治まらず、最後にはナブ・アへ・エリバ自身も大地震により夥しい書籍の下敷きになり、圧死してしまいます。
この小説は、高校の教科書に載っている「山月記」で有名な、中島敦の作品です。
この小説のポイントは、存在するかも疑わしい「文字の霊」を研究し続けた結果、文字の霊に取り憑かれてしまったということです。
正直、本書を読む限り「文字の霊」が本当に存在するのかは、わかりません。ただ、主人公・ナブ・アへ・エリバは「文字の霊」の存在を信じ、最近文字を覚えた人々から集めた「目が見えにくくなった」「くしゃみが出るようになった」という証言を全て「文字の霊」の性質として捉えます。
これは、「思い込みによる、認知の歪み」という意味では、私たちも陥りがちの現象で、例えば、「嫌いな人が近くにいる時に何か起こると、すぐその嫌いな人のせいにしてしまう」といったように、気づかない内に思い込みによって、認知が歪んでしまいます。
認知の歪みは人間の本質かもしれませんが、ナブ・アへ・エリバのように取り憑かれてしまわないように、気を配りたいですね。
では、今日も3冊頑張ります!