こんにちは。haruhinaです。
さて、56日目に読んだ本はこちら↓
- ヴィヨンの妻 著:太宰治
- マンガでやさしくわかるコトラー 著:安部徹也、マンガ原作:松尾陽子、作画:ミイダチエ
- インターネット的 著:糸井重里
本の感想
ヴィヨンの妻
放蕩者の夫を持つ妻の視点で描かれた小説です。
ある日、夫が行きつけの居酒屋を営む夫婦から、夫が店の金を盗んで逃げたと知らされる。お金を返す当てもなく、夫の行先もわからない妻だったが、夫婦に「返す当てができた」と嘘をつき、お金が来るまでの間、店の手伝いを始める。
その夜、ぐうぜん店に来た夫から盗んだ金を返してもらい、事なきを得ましたが、店を手伝うことにささやかな幸福を感じた妻は、その後も店で働かせてもらうことにします。店で働いている内に、妻は、夫だけでなく人間はみんな犯罪人であることに気づきます。
家で夫の帰りを待つだけだった妻が、たくましい人間に変化していく様を描いた小説です。
この小説は、「人間失格」や「走れメロス」で有名な小説家・太宰治の作品です。
本書で描かれた夫は、大酒飲みで浮気性の放蕩者で、繊細で臆病者の詩人です。これは私が考える太宰治のイメージそのもので、太宰治自身も繊細で脆い人間だったのではないかと思います。
マンガでやさしくわかるコトラー
「マーケティング」の知識のない主人公・早乙女レイナが、マーケティングの第一人者として知られる「コトラー」の理論を勉強して、電動バイクの売り上げを伸ばすために奮闘するという物語です。
初めてマーケティングを勉強する人には、なかなかイメージしづらい理論の話も、マンガで具体的に説明されているので、これからマーケティングを勉強する人や、本を読んでよくわからなかった人におすすめしたい本でした。
わたし自身、これまでいくつかマーケティングの本を読んで理解したつもりでいましたが、本書を読んで納得する部分も多く、意外とあいまいに理解していたことに気づきました。
インターネット的
「ほぼ日刊イトイ新聞の運営者」である糸井重里さんによって書かれた本でした。
糸井さんの言うインターネット的とは、
インターネット自体がもたらす社会の関係の変化、人間関係の変化みたいなものの全体
引用:糸井重里[著] 『インターネット的』 株式会社PHP研究所 2014
ということで、具体的には「リンク・フラット・シェア」する生き方や考え方を指します。本書の中には、「ほぼ日刊イトイ新聞」を作った経緯も書かれていて、インターネットを使って仕事をしていきたいと考えている私には、参考になりました。
本書を手に取ったきっかけは、前日に邱永漢さんと糸井重里さんの対談本「お金をちゃんと考えることから逃げまわっていたぼくらへ」を読んで、糸井さんの考え方に感銘を受けたからです。
糸井さんは、「なんとなく違う」といったように、感覚を大事にされているようで、どこか禅のような雰囲気を感じられるので、読んでいると嬉しい気持ちになります。それは、おそらく私自身が、自分の気持ちを無理やり言葉に当てはめることに、違和感を覚えているからだと思います。
ブログを書きながら、私も自分の気持ちをちょうどよい言葉で表現できるように練習したいと思います。
両面あってこその人間
突然ですが、むかし私は少女漫画に出てくる主人公に本気で憧れていました。
「可愛くて、純粋で、裏表がなくて、正義感が強くて、守ってあげたくなる」ような魅力的な女性(女の子)です。
容姿については仕方ないので、性格だけでも主人公に近づけようと頑張っていました。その過程で否定したのが、人間のエゴや弱さといった、主人公の持っていない感情&性格です。つまり、良い面しか持たない片面の人間になろうとしていました。
結果的には、当たり前ですが自分の性格や感情を消して、全く別の人間になんてなれず諦めたのですが、その頃の名残で、無意識に人の弱さや醜さを避けて生きてきました。
今回、太宰治の小説を読んで「なんだか辛い」と感じたのはおそらく、これまで避け続けた習慣のせいだと思います。しかし、いくら避けて目を背けたところで、人に備わっている性格や感情はなくなることはないので、今度は「辛い」からと逃げず、しっかり両面を知る努力をしようと思います。
では、今日も3冊頑張ります!